2025.8.07
スウェーデン「スウェーデン王立工科大学(KTH) 航空車両工学部」
アメリカ「NASAラングレー研究所 空力弾性部門」
空力弾性風洞模型は、NASAが保有する閉回路型の風洞での試験用に設計・構築されました。航空機の構成は、後退翼とカナードを備えた最新の軽量戦闘機を表しています。模型の全揚力面と胴体シェルに、複合材料を使用して設計されています。その揚力面には、アルミニウム製のスパーと隔壁を用いて内部のバックボーン構造に接続しており、空力荷重をスティング部分に伝達します。翼の設計も、全体的な翼特性が硬くなりすぎないように・外部のストアを強力にサポートするために、強力な内部フレームで作られています。パイロンやスウェイブレース、プレテンション方式に配置した外部ストアインターフェイスは、現実的な運動学を提供するために細かく追加・モデル化されています。
当模型には、加速度計やひずみゲージ、圧力タップ等の計測機器が多数搭載されています。当試験場の独自的な特徴は、風洞試験中に模型の変形を正確に測定できる光学式モーショントラッキングシステムを運用していることです。風洞内にOrqus5+を4台設置し、模型に貼付された反射マーカーをトラッキングします。また当試験場には、翼面に設置された約200個の圧力タップから正確な非定常圧力データを取得・提供する最新の非定常圧力測定システムが導入されています。風洞試験は、空気と重ガスの両方で実行され、試験用模型は3条件の異なる構成でテストされました。模型の変形と翼面圧力を同時に測定することで、静的/動的空力弾性の両方から多くのユニークなデータが得ることができます。


出版物は、https://www.asdjournal.org/public/Proceedings/IFASD_2017/IFASD-2017-169.pdf よりご覧いただけます。