2025.8.07
大都市圏の内陸水路における自律電気航行を目指す共同プロジェクト(A-SWARM※1)は、2021年3月にプロジェクトコーディネーターのポツダム造船研究所(SVA)にて、試験用船舶の最初の試験が実施されました。当プロジェクトでは、連結することで大型船を形成できる自律型電動船舶を基本とし、現代の都市物流に貢献することを目的としています。プロジェクトの焦点は、自律的に航行する水上車両の開発にあります。試験用船舶は、個々にまたは連結した状態で操作できるよう設計されています。
試験用船舶の内1機が、ポツダム造船試験場の試験水槽で使用できることになりました。試験用船舶には、360度回転可能な5kWインラインスラスター(リムドライブ)が2つ装備されています。船体の位置測定には、Qualisysモーションキャプチャシステムを使用しました。Oqus3+またはOqsu5+の計8台を測定カートに設置して、屋内で試験ならびに測定が実施されました。


試験は、船体の運動モデルを特定し、制御システムをパラメータ化するために実施されました。これにより、柔軟かつ正確な速度と位置の制御が可能になります。運動モデルは、モデルベースの速度推定に加えて、流れと風の力を推定する非線形カルマンフィルターの基礎としても機能します。さらに、割り当てやフィルター、コントローラー構造の様々な動作モードの効率およびパフォーマンスについて調査が行われました。
当試験期間での目的は、限られた環境下における船体の正確な操縦、また制御システムによる流れや風など外乱に対する迅速な補正であり、無事に達成することができました。次の試験段階は、オープンフィールドで船舶を操作するための一般的なナビゲーションセンサーの統合です。
当プロジェクトのパートナーは以下の通りです。;
・BEHALA (https://www.behala.de/)
・EBMS TU Berlin (https://www.tu.berlin/ebms)
・infineon (https://www.infineon.com/)
・SVA Potsdam (https://www.sva-potsdam.de/)
・ロストック大学
・Veinland (https://veinland.net/)
当試験は、連邦経済エネルギー省(BMWi)の登録番号03SX485Fによる資金提供を受けています。
※1:「A-SWARM」大都市圏の内陸水路における電動船舶の自律航行実現に向けた技術開発を目的とする研究開発プロジェクト