日本体育大学
スポーツ研究
日本体育大学の阿江通良先生は、日本のバイオメカニクス分野の研究者として長年スポーツ研究をしており、2019年には国際スポーツバイオメカニクス学会においてGeoffrey Dyson Award賞を日本人として初の受賞をしており、まさに日本を代表するトップ研究者です。
近年の研究テーマとしては、標準動作モデルを確立し、これによる動作改善や学習者の動作を類型化するバイオメカニクス研究等を行っております。現在はQualisysのモーションキャプチャシステムを用いて様々なスポーツ動作の計測を行い、数多くの標準動作モデルを作成および研究をしています。
このQualisysのモーションキャプチャシステムは凸版印刷株式会社との共同研究によりシステム導入をしており、標準動作モデルを用いて学習者のスポーツ能力向上、教育現場での指導者の負担軽減両方の実現が可能なツール開発のために使われています。
モーションキャプチャシステム
日本体育大学モーションキャプチャシステムは、屋外使用可能なArqusA5を12台使用しております。
Qualisysの特性でもあるデイジーチェーン接続による可搬性の高さ、太陽光からのノイズを防ぐアクティブフィルタリング機能や天候の変化にも負けない屋外計測への強さを活かすため、屋内施設には常設はしておりません。セットアップから計測開始までの時間、手間が少なくて済むため都度設置場所を変えながら、屋外・屋内問わず様々なスポーツ計測が可能なシステムとなっております。
スポーツ動作の解析方法
Qualisysのモーションキャプチャシステムで計測した赤外線反射マーカーの3次元位置データは、日本体育大学 阿江研究室で独自に作成した人体モデルのmatlabベースのにプログラムより解析を行っています。通常の解析ソフトの場合、主に欧米人の骨格モデルが使用されておりますが、このプログラムではアジア人の骨格とは大きく異なっており、阿江研究室ではしっかりとアジア人の骨格をもとに作成した人体モデルを用いて標準動作モデルの作成を行っております。
Qualisysの動作解析を使っていることのメリットなど
・ 屋外での計測でも高い精度での計測が可能
・ 高解像度かつ高いサンプリングの計測により、スポーツ動作を高精度にデータ取得可能
・ デイジーチェーン方式により、セッティングの時間が短い
日本体育大学 阿江先生と凸版印刷株式会社がモーションキャプチャシステムを通して目標としていること
・ 数多くのアジア人をもとにした標準動作モデルの作成
・ 標準動作モデルを用いた学習支援ツールの開発
阿江先生からのコメント
スポーツの標準動作モデル作成のベースとなるデータは、高い精度でのデータが必要となるため、光学式のモーションキャプチャシステムでの計測が必須となります。Qualisysの場合、高解像度かつ高いサンプリングのカメラのため、こちらが取得したい高い精度のデータ計測を実現できています。